第9冊 西加奈子『ふくわらい』

他人に思いを馳せてみようと思った時に読む一冊。

出版社朝日新聞出版
出版年2012年

感想

※ ネタバレを含む場合があります。

面白かった。登場人物のそれぞれが、光って見えた。

守口の猪木への憧れだが、猪木には、なれないことに気づいたところの心の葛藤が、心に残った。
プロレスも作家も中途半端だと思ってしまうところ、でも、どちらも好きなことに気づいて、どっちもやると宣言したところ、かっこいい。

武智の見え方、捉え方に圧倒された。
自分は、人の考えていることを無闇に妄想して、勝手に打ちのめされることがある。でも、武智のように自分の見えている範囲、それがすべてで、勝手に妄想を広げても仕方ないな、と思った。

人を、自者と他者を、認識する境界てなんだろうと考えさせられた。肉体なのか、思い込む概念なのか。でも、境界の定義、自分で決めた定義次第で、どちらも正解になりうる。